そこで登場したのが、インプラントです。なくした歯を復元すべく顎の骨によく馴染むチタン(インプラント)を植え込み、
インプラントと骨との直接結合を図る治療を指します。
歯を失ってしまったとき、現在の保険診療では義歯やブリッジで咬合機能を補う治療方法しかありません。しかし、これらの方法では十分に対応できないケースが往々にしてあるのです。また近年では、義歯やブリッジで健康な歯に負担をかけたくないと訴えられる患者様も多くなってきました。
もう一度、噛める暮らしを インプラント
インプラントのあゆみ
インプラントの研究は、1960年代にスウェーデンのブローネマルク博士がチタンと骨の完全な結合を発見したことから始まります。そして研究が進んだ1980年代以降、世界的に多種多様のインプラントが開発され、日本でも多くのインプラントが次々に誕生しました。そして現在、インプラントは今後の歯科医療になくてはならない存在となっています。
世界のインプラント
世界で多く使用されているインプラントは「スイス製:ITIインプラント」「アメリカ製:3iインプラント」「ドイツ製:IMZインプラント」「スウェーデン製:ブローネマルクインプラント」の4種類です。そして当院で使用しているものは、スイスのベルン大学とストローマン研究所によって1970年代に考案されたITIインプラントです。従来のインプラントシステムでは2回の手術が必要でしたが、このITIインプラントシステムでは1回の手術ですみます。また骨結合が約60日間と最も早いという特徴も見逃せません。数多くの長期にわたった優秀な臨床成績と長年の実績が、常に世界をリードし続けます。
素材
インプラントは宇宙ロケットのボディにも使われるチタンで作られています。このチタンは人体に植え込まれる素材として唯一許されている金属で、生体との親和性や結合性に優れています。また丈夫で軽く、熱感が自然に伝わるという特徴もあります。
構造
インプラントは大きく分けて2つのパーツで構成されています。1つは歯根の部分となるフィクスチャー、もう1つは土台の部分となるアバットメントです。最初に行う手術では、このフィクスチャーを骨内に植え込み、60日間放置して骨結合を促します。そののちにアバットメントを立て、上部構造の製作に移ります。この上部構造はゴールド系かプラチナ系の安定した金属が好ましいとされています。
インプラント治療例
必要以上の満足を
インプラント治療は外科的な治療が必須で、治療期間も費用も必要となります。しかし、歯を失われた方がご自分の歯のように硬いものを自由に噛める治療は、現在の医療ではインプラント以外にはありません。
メンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、ご自分の歯と同じように毎日のホームケアと定期検診が重要です。新しい「インプラント」という歯を失わないために、毎日きちんとケアしてあげましょう。